動物のための自然療法〜顧問挨拶

 



◆統合医療へ向けて   幡井 勉

動物自然療法協会・顧問
東洋伝承医学研究所(日本アーユルヴェーダスクール)所長


インドの伝統医学アーユルヴェーダが日本に本格的に紹介されてから、すでに四十年近くが経とうとしています。その間に、日本の医学界は大きく様変わりしました。

西洋医学の行き詰まりの中で、東洋医学や種々の民間療法、自然療法が著しく脚光を浴びつつあり、近年では、代替療法(オルタナティヴ・メディスン)という名の下に、近代西洋医学以外の古今東西の医療を復興させる試みが世界中でなされるようになり、各地の伝統医学を見直す動きが、まさに地球規模の潮流となっています。

生命を唯物論的にとらえ、機械と化学製剤によって患者を強引に治そうとする西洋医学に医師や治療家の誰もが疑問と限界を感じているのです。

そもそも「健康」に対する考え方そのものが大きく変質しているのです。

「病気に罹っていないことが健康である」という考え方は現代ではもはや通用しないのではないでしょうか?肉体だけでなく、精神的な健全さが何より求められているのです。WHO(世界保健機構)が、肉体と精神に加えて霊性(スピリチュアル)の健康を、健康であることの定義に付け加えようとしていることは、現代医学をめぐる一つの象徴的な出来事であるように思えます。

世界最古の歴史をほこり、真にホリスティックな医学観を持つアーユルヴェーダは、こうした点で、現代の要求に応えうる、最良の医学と言えます。
生物を、心も含めて一個の宇宙としてとらえ、心と体を健全に保つことによって魂の浄化を促そうとするアーユルヴェーダは、まさに魂の健康を目指す医学なのです。

現代医療の矛盾した結果とも言える介護や福祉の問題に対して、アーユルヴェーダの知恵はさまざまな形で貢献できると思いますし、未来の医療に向けてアーユルヴェーダをさまざまに応用することも可能だと私は考えています。単に長生きするのでなく、「健康で長生きをする」ことが切望されている今日では、「健康で長生き」のための知恵を蓄えたアーユルヴェーダは、これからますます活躍の場を広げることができるのではないでしょうか?

時代はまさにアーユルヴェーダの出番に近づいているのです。

アーユルヴェーダが3000年の歴史を持つとされることを考えれば、日本でたかだか30年の歩みは赤ん坊のようなものです。しかし着実に芽は伸びています。それに、ある意味では、日本のアーユルヴェーダの受容は一つの段階を超えたと言えると思えます。公的な資格の必要性や医療制度の問題など、これから解決していかなければならない現実的な問題は山積みですが、インドの太古の英知が日本の若い世代に伝えられ、アーユルヴェーダが人間の健康を担う医学として受け継がれ、日本にも大きく花を咲かせてくれることを願ってやみません。

 
                                   
       著書アーユルヴェーダの世界統合医療へ向けてより一部、編集(本人編集確認済み)

 

 

 

 

 

 
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